1. 現物グリッドボットとは?
現物グリッドボットは、レンジ相場(横ばいの相場)に適した「高値で売り、安値で買う」自動売買戦略であり、短期・中期・長期いずれの期間にも対応可能です。
ユーザーは価格レンジやグリッド数などのパラメーターを設定するだけで、ボットが自動で稼働します。稼働後は、資金をあらかじめ分割し、価格が下がれば段階的に買い、上がれば段階的に売ることで、相場の変動に応じて利益を得ることができます。
2. 現物グリッド戦略の説明
メリット:
1.現物グリッドボットは初心者にも優しく、相場の変動により生じる感情的な判断ミスを避けるのに役立ちます。また、24時間自動で売買を行うため、常に画面を見ていなくても利益のチャンスを逃しません。
2.相場がレンジで上昇しているとき:価格上昇による値上がり益と、レンジ内での売買による利ざやの両方で利益を得ることができます。
3.相場がレンジで下降しているとき:売買による利ざやで損失をある程度抑えることが可能です。
デメリット:
ただし、グリッドボットは万能ではありません。
基本的にロング(買い)戦略のため、一方向に下落する相場では含み損を抱えやすい
資金の活用効率が低くなる可能性がある
価格が設定したレンジを外れると売買が行われなくなる
どの通貨ペアがグリッド取引に適しているか?
初心者の方には、流動性が高く、市場の信頼性がある主流コイン(BTC_USDT、ETH_USDTなど)をおすすめします。CoinMarketCap(CMC)で上位100位以内の通貨を参考に、Gateでの取引状況を見ると良いでしょう。 経験者は、ボラティリティの高い通貨ペアで大きな利益を狙うことも可能です。
3. 現物グリッドのパラメーター説明
用語の解説:
AIスマートグリッド: AIが過去7日間のデータを基にバックテストを行い、利益率が最も高かったグリッドパラメーター(上限価格、下限価格、グリッド数)を自動算出します。ユーザーは投資金額の割合を設定するだけでOKです(投資額は最低投資金額以上である必要があります)。
AIデータの自動入力: AIが算出したグリッド情報を自動で入力します。
一括クリアショートカット: 複数のパラメーターを一気に削除したい場合に使えます。個別に削除する必要はありません。クリック後に再設定してください。
下限価格: 最も安く買う価格。現在価格がこの値を下回っても買い注文は出されません。また、この価格で売却もできません。
上限価格: 最も高く売る価格。現在価格がこの値を上回っても売り注文は出されません。また、この価格で買いもできません。
グリッド数: いくつのグリッドに分割するか。設定範囲は2〜1000。
グリッド間隔: 例えば、グリッド間隔をq、価格の上限をa1、下限をa2、グリッド数をnとした場合、等差グリッドの間隔qは以下の式で計算されます:
等比グリッドの実際の変動率 q の計算式は:
グリッドあたりのリターン
グリッド間隔をq、上グリッド価格をa1、下グリッド価格をa2、グリッド数をnと仮定すると、
幾何級数におけるグリッドあたりのリターン:
単一グリッドの収益率(等差の場合):
単一グリッドの基本的な売買数量: 各グリッドにおいて売買を行う際に使用するコインの数量を指します。
数量の段階的増加: 「数量の段階的増加」はデフォルトでオフになっていますが、有効にすると、各グリッドの売買数量を「固定数量」または「割合(比率)」に基づいて段階的に増やすことができます。以下の図のように設定可能です:
HODL モードを有効にすると、ユーザーは HODL レコードでコインに交換された利益の取引履歴を確認できます。
注:グリッド取引で1回の買いと売りによって得られる利益が、システムの最小注文金額に満たない場合、その利益は一時的に保留されます。累積して最小金額を超えた時点で、最新の市場価格で対象通貨が購入されます。
補足:
「戦略終了時に保有通貨を売却」と「コイン蓄積モード」は同時に選択することができます。
4.1 現物グリッドの作成方法
グリッド戦略は次の3つのモードで作成できます。
スマート作成 初心者の方は「おすすめロボット」セクションから、7日、30日、180日のバックテスト結果に基づいたロボットを選ぶことができます。これらは過去の相場データとトレンド、アルゴリズムを元に最適なパラメーターが自動で設定されています。
コピー作成 スマート作成では満足できない場合は、「おすすめロボット」から他のユーザーの戦略を選び、同じ内容でコピーすることができます。
カスタム作成 相場のレンジや動きに自信がある場合、自分でパラメーターやトリガー条件を自由に設定し、投資金額を入力することで独自のグリッド戦略を作成することができます。
現物グリッド(カスタム)の作成手順(WEB版)
取引ロボットを開く。ロボット広場に進む。新しいロボットを作成を選ぶ、現物グリッドを選択ロボットを作成をクリック、ロボット名を入力取引ペアを選択(例:BTC/USDTなど)AIによる自動推奨または手動で設定を選ぶ内容を確認して作成を完了する
アプリ版での現物グリッド作成手順
取引ロボットを開く,ロボットを作成をタップ、現物グリッドを選択、取引ペアを選択、Ultra AI、おすすめロボット、または手動設定から選ぶ、作成をタップして完了。
4.2 現物グリッドの終了方法
現物グリッドボットは、いつでも手動で終了することができます。ただし、以下の点に注意してください。
現物グリッドボットの動きが現在の相場と合っていないと判断した場合は、停止を検討してください。
現物グリッドボットは超短期向けの戦略ではありません。多くの場合、一定の期間運用することで、期待される利益が得られます。
現物グリッドは「安く買って高く売る」仕組みのため、利益の推移は最初に一時的な損失が出て、その後利益が増える傾向があります。初期の含み損は理論上、正常な現象といえます。
5.現物グリッドの利益を確認・引き出す方法
WEB版:
「マイロボット」へ進み、「稼働中ロボット」から「現物グリッド」を選択し、現物グリッドボットの注文画面に入ります。ここで、利益の確認と引き出しが可能です。
アプリ版:
取引 → 取引ロボット → マイロボット → 稼働中 → 現物グリッドボットの注文画面に入ると、現物グリッドの利益を確認・引き出すことができます。
6.現物グリッドの利益を高める方法
現物グリッドは、価格の上下限やグリッド数をあらかじめ設定し、資金を分割して管理することで、価格が下がれば段階的に買い、上がれば段階的に売るという仕組みで、レンジ相場において利益を積み重ねていく戦略です。
では、どのようにしてグリッドの利益を高めることができるのでしょうか。一般的に、現物グリッドの収益はグリッド数、価格レンジ、取引手数料などの要素に大きく関係しています。そのため、グリッド数や価格レンジを適切に設定し、取引手数料をなるべく抑えることで、グリッド利益の最大化が期待できます。
6.1 価格レンジを適切に設定する
価格レンジとは、今後しばらくの間に価格が推移すると見込まれる上下の範囲のことです。
価格レンジが狭すぎると、設定できるグリッドの数も少なくなり、相場がレンジ外に出てしまってグリッド戦略が無効になるリスクがあります。
反対に、価格レンジが広すぎると、短期的な値動きに対してグリッドが反応しにくくなり、機会損失が生じる可能性があります。
このようなときには、ボリンジャーバンドやATRチャンネルなどの指標を活用し、日足や週足といったやや長めの時間軸を参考にして判断することができます。
たとえばボリンジャーバンドを使う方法では、上下のバンドラインをグリッドの上下限として設定します。ボリンジャーバンドはガウス分布の考え方をもとに、価格が上下バンドの範囲内で推移する可能性が高いことを前提としています。一度バンドを突破しても、その後価格がバンド内に戻る傾向があるため、上下バンドを価格レンジの目安とするのは、シンプルで分かりやすい手法です。
ただし、上昇トレンドのように片方向に動いている相場では、ボリンジャーバンドの下側が大きく開いてしまい、レンジ全体がずれて資金の活用効率が落ち、結果として収益も下がってしまうケースがあります。
このような場合には、ATRチャンネルを使ってレンジを判断するのも一つの方法です。ATRチャンネルはボリンジャーバンドのように極端に広がることが少なく、比較的安定した範囲を提供します。週足ベースのATRチャンネルを使って価格レンジを決める方法がよく用いられます。
価格レンジを決める2つの方法:
ボリンジャーバンドを活用する ボリンジャーバンドは、3本のラインで構成されており、上下のラインはそれぞれ価格の抵抗線と支持線として機能し、その間にあるラインは平均価格を示します。価格は通常、この上下のバンド内で動き、相場の変化に応じて自動的に帯の幅や位置が調整されます。バンドが狭くなると、その後に大きな値動きが起こる可能性があります。価格が一時的にバンドを抜けてもすぐ戻る場合は、反発(リバウンド)のサインとなることもあります。
方法としては、ボリンジャーバンド(boll)の上下範囲をそのまま取得し、希望する時間軸(日足、週足など)に応じて、それをグリッド価格の上下限の参考値として使用します。なお、標準偏差の数値が大きいほど、バンドが広くなり、価格変動の許容範囲も広がります。
たとえば、標準偏差が2倍のボリンジャーバンドと、3倍のボリンジャーバンドを比較すると、3倍の方がカバーする価格帯が広いことがグラフからもわかります。
画像1: 2標準偏差
画像2: 3標準偏差
2. ATR(平均真の変動幅)を利用する
ATRとは、一定期間における価格の変動幅をもとにした移動平均値であり、価格のボラティリティを測るための指標です。
この数値が高いほど、相場の変動が大きくなり、トレンド転換の可能性が高まります。
逆に、数値が低いほど、市場の動きは鈍く、トレンドが継続しやすい傾向があります。
主に売買のタイミング判断に活用されます。
方法としては、対象となる期間のATRによって示される価格の上下幅を、そのままグリッドの価格範囲として設定します。
たとえば、ATR(7) は過去7日間の平均的な実際の変動幅を表しますので、その7日間における価格の上下限を、グリッド戦略における上下限として使うことができます。
図示すると以下のようになります
6.2 グリッド数を適切に設定する
グリッド数とは、価格の上限と下限の間に何本の価格ライン(注文ポイント)を設定するかということです。
通常は2〜200の範囲で設定されます。
グリッド利益は以下の式で表されます:
グリッド利益 = 単一グリッドの価格差 × 単一グリッドの購入数量 × 完了した売却数
グリッド数は、取引の頻度に大きく関係します。
数を多くしすぎると取引が頻繁になりすぎ、少なすぎると取引の発生が少なくなってしまいます。
具体的には、以下のような特徴があります:
グリッド数が多く、密集している場合:
取引頻度が高まり、小さな値動きも捉えやすくなります。
しかし1回あたりの取引金額が少なくなるため、資金の活用効率が下がり、1グリッドごとの利益も減ります。また、取引回数が増えるため手数料の負担も大きくなります。
グリッド数が少なく、粗い場合:
取引頻度は低くなり、小さな値動きは見逃しがちになります。
しかし、1回あたりの資金投入が大きくなるため、資金の利用効率が高くなり、1グリッドあたりの利益は増えます。取引回数が少ないため、手数料の面でも有利です。
以下の図では、同じ条件下でグリッド数が多い場合と少ない場合でどのような違いが出るかを示しています。
例として、あるユーザーがBTC/USDTのグリッド取引を行うと仮定します。
グリッドの上限価格は7000 USDT、下限価格は1000 USDT、建値(エントリー価格)は6800 USDTとします。
図1では、グリッド取引が価格上限と下限の間に、2000、3000、4000、5000、6000の5本のグリッドラインを設定しています。
BTCの価格が6000、5000、4000、3000の時に買い注文を出し、3000、4000、6000、7000の時に売り注文を出します。
このように、1つの売却注文が成立するたびに、現在の価格よりも下の価格に対応する買い注文が新たに設定されていきます。
BTCの価格が7000を超えるか1000を下回ると、グリッド戦略は一時停止します。
その後、価格が再び設定されたグリッドレンジ内に戻った場合、戦略は自動的に再開されます。
図1を見ると、価格の上下変動によって、価格曲線は設定されたグリッドラインと合計で27回交差しています。
つまり、グリッド取引によって合計27回の売買注文が実行され、27回の価格変動を捉えたことになります。
このうち13回の変動で利益を得られたと考えられます。
ただし、各グリッドの利用資金が1000 USDTで固定されているため、1グリッドあたりの利益は図2より少なく、さらに27回分の取引手数料も発生しています。
図2では、グリッドが価格の上限と下限の間に3000、5000の2本だけ設定されています。
BTCの価格が5000または3000の時に買い注文を出し、3000、5000、7000の時に売り注文を出します。
同様に、売却が成立するたびに、現在価格より下の価格で新たな買い注文が設定されます。
BTCの価格が7000を超えるか1000を下回ると、戦略は一時停止します。
その後、価格が再び設定レンジ内に戻ると、グリッド取引は自動的に再開されます。
図2を見ると、価格変動により価格ラインと合計13回交差しており、つまり13回の売買注文が実行されたことになります。
これは13回の価格変動を捉え、13回分の利益が得られたことを意味します。
また、各グリッドに使用された資金は2000 USDTであるため、1グリッドあたりの利益は図1よりも大きくなり、発生した手数料は13回分です。
図1と図2を比較すると、グリッドの数が少ないほど、捉えられる価格変動の回数が減ることが分かります。
図2ではグリッド間隔が広すぎるため、2000、4000、6000の価格変動を見逃し、利益機会を逃しています。
一方で、図1では資金の活用効率が低く、取引が多いため手数料がかさみ、1グリッドの利益も少なくなります。
このように、グリッド数が多いか少ないかにはそれぞれメリットとデメリットがあり、バランスを取ることが重要です。
グリッド数は、運用する時間の長さや戦略の方向性に応じて調整するのが望ましいです。
6.3 手数料を下げる方法
グリッドの純利益率 = グリッドの売買差益率 − 取引手数料 × 2
グリッド取引で得た利益はあくまで「総利益」であり、そこから手数料を差し引いたものが「純利益」になります。
そのため、取引手数料をいかに抑えるかが、グリッド利益を最大化するための鍵となります。
手数料を下げる主な方法は次のとおりです:
手数料の低い通貨ペアを選ぶ。たとえばGateでは、BTC-USDTなど一部のペアは手数料ゼロの対象になっています。
VIPレベルを上げることで、手数料を割引価格で利用することができます。
一部の流動性が高い永久先物(パーペチュアル)を利用し、現物ではなく先物でグリッドを実行することで、費用を抑えることもできます。
グリッド数や価格範囲を適切に設定し、不要な取引回数を減らす。グリッド数、価格帯、取引手数料は互いに関連しており、戦略全体のバランスが重要です。
7.現物グリッドの自動可動グリッド機能
現物グリッドの高度な設定に「可動グリッド」機能が追加されており、市場の変動に合わせてグリッドの価格帯を自動で上下に調整できます。
可動グリッドのしくみ:
グリッド稼働中に価格が設定したレンジを超えた場合、ボットはグリッドの可動機能を使って、相場の平均価格に合わせてグリッドの上限・下限を自動で上下に移動させます。これにより、強い上昇トレンドを逃したり、大きく含み損を抱えることを防げます。
可動グリッドの特徴:
グリッドの上限価格と下限価格は、同じ割合で同時に移動します。たとえば、上限価格が10%移動すると、下限価格も10%移動します。
グリッドが移動しても、グリッドの本数は変わりません。
グリッドの本数が固定のままであるため、各グリッドの利益率も変わりません。単一グリッド利益率の計算式はそのまま使えます。
可動グリッドの発動条件:
ボットの建値設定(または価格帯の調整)後、最新の価格がグリッド範囲外にあり、かつ720分足(12時間)の移動平均の変動率が一定の比率に達した場合、自動でグリッド範囲が上または下に移動します。
720分足が上昇している場合はグリッドが上に移動し、下落している場合はグリッドが下に移動します。
移動グリッド機能の有効化方法
取引ロボットのホーム画面にアクセス,現物グリッドを選択,「取引ロボット」をタップ,グリッドロボット,現物グリッドを選択,手動設定を選ぶ,高度な設定を開く,移動グリッドに関する各パラメーターを入力して設定完了。
本サービスの最終的な解釈権はGateに帰属します。